レポート

第3回 近代日本の地方自治と町村合併

神戸大学大学院人文学研究科・奥村弘教授による講義、「地域の成り立ちと構造」の第3回。

前回は、江戸時代に生まれた村の成り立ちと構造を学びましたが、
今回は、明治政府から戦後に至るまでの地方自治を学び、これからの地域社会のために、望ましい政治と自治の在り方を展望しました。

“義務”の地方自治から”権利”の地方自治へ
廃藩置県後の明治政府は、イギリスやドイツに倣い、天皇を頂点に、村落共同体、ひいては家々との縦の関係を構築するために、中間的な統括機構として、地方自治を機能させようとしました。
戦後、統制的な政治の象徴として捉えられた町内会は、廃止されてしまいます。自治体職員が増やされ、住民は自治の執行主体ではなく、「利用者」へ。地域から”自分たちの自治”が消えていきます。

地方自治の命題―コミュニティの豊かさを活かすこと
しかし、町内会はいずれ任意団体として再建され、地域の基礎的な自治を担うようになります。
明治時代には、江戸時代より村に既に構築されていた、横(自助)の関係性が、地方自治の制度に落とし込まれることはありませんでした。
しかし、NPO等新しく出現した組織も含め、重層的な地域社会をいかに再構成するか。
地域の持っている資源をいかに活かし、社会を豊かにしていくか。
いま、コミュニティの豊かさを活かす政治が求められています。

講義後、話は、現在の篠山の地域の、自治会と行政、議会のあり方へ。
私たちには、どのように地域と関わることができるでしょうか。

近世の村の成り立ちと、地方自治のあり方、今残る地域歴史遺産の意義について学んだ前半3回を踏まえ、後半は、丹波地域を事例に、地域の景観を土地利用から紐解きます。

ファシリテーター:はしだ