レポート

第5回 森林を調べよう!

【山の棚おろしを通じて、森の市場価値を測ろう】

これからの里山林業創造プロジェクトもいよいよ中盤に差し掛かりました。今日のテーマは「森林を調べよう!」。いよいよ、山に入って調査をし、市場価格の概算を算出する「山の棚おろし」を実践します。

まずは、朝9時にラボに集合して、車で約10分ほどの里山に移動。山主の渡瀬さんが迎えてくださいました。ここは、約50年前、渡瀬さんのお父さんの代にスギやヒノキを植林されたそうで、それまでは柴山として利用されていたそうです。

まずはアシスタントの中島さんの指導のもと、準備運動です。山の澄んだ空気のなか、全員でしっかり体操をした後に、いざ山に入ります。

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今日、この里山でやることは、山や木や森の特徴を細かく把握し、一体この山がお金に換算するといくらぐらいなのかを算出しようというもの。講師の能口さん曰く、市場の動きや価格の変動などで常に価値も変化していくのですが、大体の相場感を掴んでおくことはとても重要だそうです。でないと、その先に、その山や木材をどのように活かすのか、どれくらいの事業をどのように進めていくのか、具体的に検討ができないからです。

今回の考え方はいたってシンプル。山主さんが保有する約4,000平米の土地の一部分(約100平米)をサンプルとして計測し,木の特性を調査して金額に換算します。それを40倍することで、山全体の価格を算出しようというものです。

まずは、基準とする中心木(林の中で2〜3番目の太さの木)を選び、100平米(半径5.65mの円)の面積をざっとメジャーで囲います。そしてその中に何本木があるのかを数えていきます。今回は、25本の木がありました。これが、今回調査の対象になる木です。

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それぞれに直径を測ったり、傷や腐れがないかをチェックしたり、入念に調査します。皆さん、全て初めてのことなので、とても興味津々な様子。真剣に聞き入ります。

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そして、1本の木を試験伐採木として切り倒すことに。チェーンソーで豪快に切り倒される様子は、かなりの迫力でした。こちらもほとんどの方が初めて間近で見るということで、かなり有意義な体験となりました。

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試験伐採木からサンプルとなる木片を切り出し、午前中の森での授業は終了、午後からはスクールに戻って、森で調べた情報をもとに細かい計算をしていきます。

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切り出した木のサンプルの年輪から読み取れる情報とをもとに、森で調べたデータと合わせて、ここからは細かい計算が続きました。木の幹材積(幹の部分全体の積量)と利用材積歩留り(幹材積のうち、実際に利用できる部分の積量)を25本全て求め、それらをもとに100平米の木の金額を算出しました。

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そして、さらに、10年後のこの森の未来を考えます。実際に間伐をした場合としなかった場合で、木の成長具合がどれくらい変わるのか、また、それによって、どれくらいの収入が見込めるのか、予測しました。一つ一つ細かくデータを積み上げて、緻密な計算をすることによって未来の森の価値まで算出できることに、皆さん驚いた様子。

ここまでの計算をしてやっと、森の木の何を残し、何を育てるのか、そして何のためにその木を育てていくのかという「目的」が見えてきます。その上で、その木の成長を妨げる木を間伐するなど、どのように森をコントロールするかという「計画」が見えてきます。つまり、ここまで入念に調査をして初めて、「森をつくる」ことを正確に計画することができると、能口さんは締めくくられました。

現地に入り、実際に森を見て、測ったデータをもとに綿密に計算することで見えてきた森の価値。次回は今回算出した森林資源の市場価値をもとに、新たな木材流通を探る中で、森に値段をつけていきます。

山の棚おろしを経て、よりリアルに森の価値が見えてきました。いよいよプロジェクトは終盤戦に突入します!

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コーディネーター ポン真鍋