レポート

第7回 持続可能なビジネスモデルを考えていくために

4月から始まった「これからの里山林業創造プロジェクト」も、今日が能口さんが講義をされる最後の日となりました。これまで、山の価値を測るノウハウを学んだり、森での実測を通して、新しい里山林業の在り方を模索してきました。今日はこれまでの学びを通して、それぞれが考えた里山林業の企画をプレゼンし、一つのモデルにまとめる日です。

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この日までに、事前に能口さんから配布された企画シートにそって、受講生それぞれが具体的な案を考えて来ました。そのシートは、持続可能な里山林業を考える上で必要な9項目を整理し、つなぎ合わせていくことで企画を具体的にしていく、「ビジネスモデル・キャンバス」というもの。

・顧客 : 価値を届ける相手
・与える価値
: どんな価値を届けるのか
チャネル : 価値を届けるためのルート、方法
・顧客との関係 : 顧客との関係を成り立たせるためのさまざまな仕組み
・収入
: 価値を届けることで得られる収入
・キーリソース
: 必要となる資源
・キーアクティビティ
: 価値提供のための取り組み
・キーパートナー : 連携するパートナー
・コスト : 事業にかかる費用

持続可能な事業を成り立たせるためには、森の状況や地域性を把握したうえで、この9項目に沿って、さまざまな側面から構想を練る必要があります。このシートに従って、それぞれが考えてきたことを付箋に書き出し、整理しながら貼り出していきました。

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幾つか出てきたプランをご紹介します。
里山の情報発信基地をつくる
受講生の一人から出たプランは、篠山に色々な里山の情報を集約した情報発信基地をつくるというもの。この方は実際に森に入った第5回の講義において、森林所有者のそれぞれの事情やその場の環境によって、できることも随分変わってくのではないか?と思われたそうです。 であれば、色々な条件を持つ里山の林業のあり方や暮らしのあり方、需要供給の仕組みなどの情報を集め、ニーズがあるところに提供することで、里山自体の活性化につながるのでは?と考えました。ここでは、コーディネーターが中心となり、様々な専門家などと連携し、情報の集約、ニーズのマッチング、販売や事業化に関するコンサルをしていきます。 マッチングやコンサル業で発生した収益のいくらかを収入として事業化していくといったものでした。

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行政とNPOと連携した人材育成事業の展開
別の方から出たプランは、林業従事者を増やすために人材育成事業を展開するというもの。仕組みとしては、森林所有者の森林を集約して行政が管理し、大きな規模の森林事業をNPOに委託するという考え方です。NPOは,間伐材の販売や森林整備、林業の人材育成を展開します。その事業で得た収益を行政や所有者に分配するというものです。

他の方も、みなさん深くまでプランを考えて発表してくれました。

ここまでを通して、能口さんが一貫しておっしゃっていたことは、

『誰にどういうものを届けたいのか、
そのために自分たちが何をするべきなのか?

この「与える価値」と「顧客」を明確にしていくことが何よりも重要ということでした。また、それを具体化していく上で、里山の資源をしっかり利活用しながら,行政に提言したり、様々な団体と連携をしながら、循環して回していく持続可能な視点や,いかにビジネスにしていくかを考えてることが必要とのことでした。

そのためには、クラウドファンディングやスポンサードを受ける方法も含めて、ビジネス構築のための幅広い視点のリソースの活用も欠かせないとのことです。

ビジネスを確立する上で難しい面がたくさんある中で、次の展開をイメージしていくには、さらに深めて考えていくことと、そして林業という高く大きな壁を前にしても「ぶれない信念」と「突破力」が何より必要になってくるを能口さんは締めくくられました。

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いったんここまでを踏まえて、最終的に何を軸に、どういう事業展開をして、収益性はどのくらいで 、これをやることで誰がどう変化し、地域が変わっていくのかを考えたビジネスモデルを、このあと能口さんが一つの事例としてまとめてくださいます。

今後はそれをもとに再び振り返りを行い、引き続き具体的な里山林業ビジネスプランを考えていくことになります。今後も長い目線で考えていく必要はありますが、地域をつくったり、景観をつくったり、観光資源をつくりビジネス化していくという点で、今回のまとめにおいてひとつのフレームのようなものが見えてきたと思います。

今後のスクール生の動きと展開に期待したいと思います!

コーディネーター ポン真鍋