レポート

第1回 流通の役割と仕組みを学ぶ

いよいよ春のセミナーが開始しました。初日となる今日は,神戸大学農学研究科の小野雅之先生による「食と農の流通とマーケティング」セミナーが開講されました。昨年10月から受講している1期生に2期生が加わり,総勢16名での授業となりました。

流通とは?
まず,「流通とは?」という根本的な問いに対する説明から講義は始まりました。小野先生によると,流通を一言で表すと「生産と消費を結ぶ諸活動」とのこと。生産と消費の間には,空間の隔たりや時間の隔たりなど,様々な隔たりが存在します。この隔たりを結ぶのが流通の機能です。

生産者は特定の財を大量に生産することで,規模の経済による利潤の最大化を目指します。一方,消費者は多種多様な財を消費することで,生活の質や満足の向上を追求します。こういった両者の隔たりを,集荷や分荷作業によって満たそうとするのも流通の重要な機能です。
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流通の客体と主体
次に,流通の客体であるモノと,主体であるヒト,つまり担い手の説明に話は移ります。各々のモノにはそれぞれ特性がありますが,今回のセミナーで主たる商品として取り上げる農産物は,最寄品と呼ばれる特性を持ちます。安価で購入頻度が高く,消費者が最寄りの小売店で購入する傾向の強いモノです。小野先生はカレーの具材を例にとって説明くださいました。篠山市の人であれば,ジャガイモやニンジンや玉ねぎは殆どが近くのスーパーで買うだろう。わざわざJRに乗って,大阪駅まで出て阪急百貨店の地下で買う人はいないでしょう。そういったモノが最寄品です。

ゆえに,流通の担い手はなるべく近くまで商品を送り届ける必要があります。その担い手となるのが,卸売業者や小売業者と呼ばれる商業者です。この仲介者がいることで,消費者は探索や交渉の時間や労力を削減することができます。昨今では,流通業者を介さないことが善と語られる傾向にありますが,流通には生産者と消費者の効用を高める立派な機能が存在するということです。

具体例を挙げながらの小野先生の講義は非常に分かりやすく,あっという間の90分でした。農村地域において,農産物の流通は切っても切り離せないテーマです。今後の授業がますます楽しみになる初回の講義でした。
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(ファシリテーター:ポン真鍋)