レポート

第3回 農産加工組合とイノベーター達

草木舎さん特製の昼食を頂いた後は講義です。

今回のテーマは、農産加工組合とイノベーター達

  • 戦後日本の農村が辿ってきた歴史と村の変容がどのようなものだったのか。
  • その中で苦心を重ねながら暮らしを紡いできた先人たちのお話。
  • 草木舎の経営実態について

のお話しを伺います。

 

今回の講義の目標は、「農村の歴史を紐解き、見落とされている素材の活用法について考える。」

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↑草木舎さん特製のお昼ごはん(山菜たっぷりで大満足でした)

 

1.戦後の農村が置かれた環境

戦前、農村や農業は地主階級に支配されとても貧しかった。例えば米の小作人は収穫した半分近くの米を小作料として納めさせられていました。
戦時中、農作物はもちろん、茶殻からありとあらゆるものを差し出さねばならず、さらに過酷で厳しい状況に。
そして戦後、農地改革により小作農が増えました。食料品不足による農作物の高騰で農家は一時的に潤ったものの、目覚ましい経済や産業の復興で都市部との所得格差が生まれました。
若い働き手はどんどんと都市部に流出。政府がこの時期、農村に補助金を大量に投下したこともあり、考えずとも生かされる村が、増えていってしまったのです。

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2.苦境の中暮らしを紡いできた先人たち

美山でも、政府の方針転換により、組織を潰すか、自分たちの力で継続させるかという、苦しい決断を迫られたそうです。
当時美山農産加工組合長をされていた渡部さんは、とても重苦しい空気の流れる総会で、貴重な女性の出席者として意見を求められたときのエピソードをお話しくださいました。

「20年、30年後には、小規模で丁寧に農業を営む暮らしが見直される時が来るでしょう。私たちはそれまでも、今の活動を続けていくことを耐えられないということなのでしょうか?」

その言葉が、会議の流れを変えました。
苦境を超えて始まったのが、「美し山の草木舎」の活動なのです。

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3.草木舎の経営実態について

企業・経営において切っても切れないのが財政面のお話し。現在の草木舎さんの売り上げや内訳などを伺いました。そこでこんな質問が。

例「売上額の内訳が3(純利益):3(人件費):3(仕入れ):1(雑費)」とした場合、例えば自分の取り分を○万円にしたければ前半で作ったジャム換算で何本売らなければならないか?

実際に商品を作る為の労力や時間を考えると決して楽な道ではないことが見えてきます。業を成すということは「楽しい」だけでは続けられない、現実と向き合う貴重なお話でした。

草木舎さんでは、月一会議というのをされていて、売り上げ目標に届かない時や働く頻度について、「今は○○さんのお宅はお子さんの進学で物が入用だから…」「○○さんの家業の書入れ時だから…」と話し合って仲間同士で取り分や勤務日数を決めるようにされているそうです。
いい時も苦しい時も仲間がいるから乗り越えようと踏ん張れる。そういっていつも掲げられている言葉を教えてくださいました。

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では、このまま苦しい時に痛み分けをし続けるのか…?
商いをあきらめるのか…?
ここからがイノベーターの頭のひねりどころではないか、と投げかけ受講生のビジョンを一人一人みんなで共有する時間へと移りました。

渡部さんは、「見落とされた素材を具体的にお金やビジネスに結びつけていくにはどうしたら良いか?を考えることが大事と講義を締めくくられました。

次回は5月20日、「野草の採集と加工(2) 野草茶を作る」をテーマに、野草の種類や効能エピソードを学びながらオリジナルブレンドの野草茶づくりを体験します。次回も楽しみです!

記事:石塚富貴(プロジェクトサポーター:スクール1期生)